エスペラント(Esperanto / 希望を持つ者)は、ポーランドの眼科医、ラザロ・ルドヴィコ・ザメンホフ(Lazaro Ludoviko Zamenhof, 1859-1917)博士が1887年に創案した、中立公平で学びやすい非自然言語の国際共通語です。今も世界大会や日本大会が毎年開催されるなど根強い人気があり、世界 100か国以上に、10万人超と推計される話者をもっています。1920年代から1960年代にかけてはもっと盛んであり、1965年の第50回世界大会が東京で開催されたころが社会的なブームとしては一つのピークだったと言われています。私がエスペラント語に興味を持ったのもその頃です。
15年ほど前、ロンドンでふとしたことから、エスペラント語で書かれたはがきを1枚入手しました①。1932年1月21日に、ハルビン(哈爾濱)ロータリークラブ(RC)の会長から英国ダートフォードRC宛に送られた礼状です。絵葉書で裏面はハルビン博物館周辺の写真②です。切手は当時の中国東北部(吉林省・黒竜江省)限定版。この40日後の3月1日には満州国の建国が宣言されます。そんな時期、エスペラント語でのハガキの持つ意味が想像されます。当時、ハルビンRCでの使用言語は、英・露・中・日の4か国語であり、週報も英・露・日の3か国語で発行されていたと記録にあって、エスペラント語も普通に使われていたのかもしれません。
エスペラントに関心を持つロータリアンは多く、1928年に始まったロータリー親睦活動グループの第1号は「エスペラント語」のグループで、今も熱心に活動しています。2004年国際大会(大阪)の友愛の家で、ROTARY ON STAMPSの隣のブースが「エスペラント語の親睦グループ」でした。このハガキの意味を教えてもらい、親交を深めたのは言うまでもありません。
1955年、国際ロータリー50周年の際に、エスペラントのグループが、切手ではありませんがシールを発行しました。同図案で3つの色パターンがあり、その内の一番派手なのが③です。2002年のバルセロナ大会に出かけた折、市内の切手商で奇跡的かつ偶然に入手することができました。スウェーデンで差し出されたはがき④にこのシールが貼られていますので、世界中のエスペランチストロータリアンが使ったのではないでしょうか。このシールはエスペラント語の親睦グループのホームページにも掲載されています。