2月24日に始まったロシアのウクライナに対する侵略が、世の耳目を集めています。
ウクライナにロータリークラブ(RC)があることは大半のロータリアンがご存じでしょう。1992年にキーウとリビウにRCが発足してから、今年はちょうど30周年に当たります。しかし、とてもそのようなお祝いなど頭の片隅にもあり得ない悲惨な状況が時々刻々伝わってきます。
さて、少し冷静になってウクライナのロータリー郵趣を振り返ってみましょう。
残念ながら今までロータリー関連の切手は公式には発行されていません。しかし、いわゆるPスタンプ(日本ではフレーム切手)でロータリーを題材にしたものが2011年から2017年の間に37種(ROSの資料による。私の確認では38種)郵趣市場に現れています。その例が①~③です。1シートは12枚構成で、国際ロータリーの年次テーマや国際大会のシンボルマーク、創始者ポール P. ハリスの肖像やロータリー財団のメダルをデザインしたものが次々に作られ、ドイツの郵趣業者を通じて販売されました。確認は取れていませんが、ウクライナのロータリアンが作成にかかわったと考えられています。(注、ROS=ROTARY ON STAMPS)
実はROSのメンバー3人がこの切手が市場に現れるたびに買っていたのですが、売り切れてしばらくするとまた新しい図案で発売されるので、もしかしたらマネーメイキングプロジェクトかもしれないということになり、相談のうえ買わないことにして様子を見ることにしました。案の定、いつまでも売れ残り「やっぱり」という結論になりました。ただ初めのころの図案はロータリーとしても真面目なものが多かったのと、郵便切手として通用するものですので、ウクライナのロータリーアイテムとして、ここでご紹介しました。
ウクライナ郵政は本年3月1日~4日に「ウクライナの自国を守る決意」を示す切手のデザインをプロ・アマ問わず全国民から募集しました。Facebookで20作品が公開され人気投票で1位になった作品④が切手に採用されました。切手は4月12日に2種類が発行され、⑤の額面はW、⑥の額面はFとなっています。それぞれ6面シート⑦⑧で、30枚(5シート)ずつ買った人が多かったようです。Wの意味は未確認ですが、一般的には国際郵便用(Worldwide)。Fは国内郵便用で郵便料金が値上げされてもそのまま使える「Forever」のFと思われます(欧米の切手にはこれが多い)。
この切手が発売されると人気沸騰でキーウの郵便局には200m以上の行列ができ、日本のテレビニュースでも「2時間並んでやっと買えた」という人々の声が放送されたのを私も見ました。実はキーウの郵便局に予約できるというフランスの郵趣業者に、発売価格×1.5くらいの費用で事前に依頼していたのですが、発売2日後になって、郵便局の窓口だけで売り切れて海外からの予約はキャンセルされたと、悲しい知らせが入りました。ウクライナ国内でもかなりのプレミアがついているようです。特に切手の背景の船が「モスクワ」であるとの説明で、余計人気が出たようです。幸いあるルートで実逓(実際に郵送された)のFDC(初日カバー)⑨が手に入ることになりました。既にキーウから私宛に発送され書留番号の知らせもありましたので、無事到着するのを待っているところです。直行便はない(日本からウクライナ宛ての郵便物は日本郵便が引き受け停止中)ので第三国経由になり、2か月以上かかるかもしれないとのことでした。
ロシアの侵略に対してウクライナを支援する切手がフィンランドやエストニア、クロアチアなど数か国から発行されています。その中で中央アフリカが発行した12面シート⑩は「ウクライナの危機に直面して、ロータリーは動員している」と題し、ロータリーが支援する様子が描かれています。