5か月前のコラムに「日本一短い名前の駅・津」を書いた。その時は不覚にも気づかなかったのだが、津市の10月の広報紙に「津駅開業130周年」の記事が載っていた。津市観光協会による「昔の津駅の写真展」やJR東海主催の「津のまん中ウオーク」①が開業記念日の11月3日にあるとのことだった。その後の情報で写真展は10月26日から11月3日までとわかった。記念乗車券などの販売などはないようだが、何かありそうな気がした。しかしそれだけで「津」まで出かけるわけにもいかない。
「写真展」は津市観光協会のホームページに写真展の様子②が掲載されたので大体のことはわかった。懐かしい2代目の駅舎やもっと古い時代の写真などが展示されていた。思わず「いいね」をして、昭和40年ごろの写真③のページには短いコメントを入れた。書きこまれたコメントは1か月以上経った今も私が書いたものだけだったが、私としては「130周年」に少しは繋がれたかと小さな自己満足をした次第。
JRは記念乗車券もなにも発売しないのかなと「まん中ウオーク」のチラシをよく見たら、「窓口で乗車券を購入した人に限定ポストカードを配布」と小さく書いてあった。ポストカード④の裏面には記念のロゴ⑤が印刷されているらしい。当然最短区間のこども券を買うことになる。お隣「阿漕(あこぎ)」までのこども券⑥は90円だったが、よく考えたら「入場券」なら80円だったはずだ。さらに言えば開通して130周年は亀山方面なのでお隣は「一身田」。こちらを買わねばならなかった。とはいえ自分で買いに行けなかったのだから、ポストカードが手に入っただけでもありがたいと思わねばならない。後日談だがこのポストカード、ネットオークションに3枚出品され、1枚4,000円以上の値がついたそうだ。
「津のまん中ウオーク」はちらし①にあるように、津駅東口から地下道を通って西口に回り、偕楽公園に保存されている「D51499」を見て南下し、津城跡の公園辺りから北上し、津観音寺(浅草・大須と並ぶ日本三観音の一つ)を見て、駅に戻るコースだった。駅前では伊勢鉄道や近鉄・三重交通などのブースで記念品や土産用の食品などが販売された模様。伊勢鉄道のブースでは「記念台紙」⑦に硬券乗車券の廃札(回収した使用済みの切符)2枚、それになんと国鉄伊勢線から第三セクター伊勢鉄道になって1周年の昭和63年3月27日に発売した記念乗車券の売れ残り⑧をセットしたものが販売された。あまりにばかばかしいのだが、記念台紙は価値があるなどとつまらぬ理屈をつけて、1セットだけ入手した。よく見たら3枚の券⑧の日付は、上から『平成』『令和』『昭和』だ。廃札ではないかも?
100周年の時には以前のコラムで紹介した記念乗車券のほか、オレンジカードやテレホンカードも販売されたが、いずれのカードも今はほとんど使われておらず、今回は影も形もなし。私のように高齢になりもう収集はやめようかという者には、ありがたい時代になったものだ。
さて、ここで一つ問題がある。先のコラムで私は津駅の開業日を1891年11月4日と書いた。しかし国鉄(現・JR)は11月3日を開業記念日としている。JRが開業日を11月3日としているのだから黙ってそれに従えばよいのだが本当にそうなのだろうか?
私が11月4日と書いたのは、その日に一身田駅~津駅間(亀山~一身田は同年7月に開業済)の開業式典が開催されたと、11月5日付けの伊勢新聞第1面の記事にあるのを基にしたからだ。実際はその前日の11月3日から列車を走らせたのかもしれない。何はともあれ思い出多い津駅の開業130周年を私なりに祝った次第。