「ロータリー100周年」といえば2005年2月ですからもう16年以上前のことになります。その頃ロータリアンであった方はご記憶だと思いますが、国際ロータリー(RI)は「100周年」を世界中のロータリークラブ(RC)で祝うため、「100周年の鐘」を5個作製し、2003年ブリスベーンでの国際大会を出発点に2年間にわたり、1「最初の100クラブ」、2アフリカ、3アジア/太平洋、4ヨーロッパ/中東、5ラテンアメリカ/カリブ海地域、の5つのコースで巡回(2~5は各国の最初のクラブのみ)させ、100周年への機運を盛り上げるとともに、2005年6月19日のシカゴでの国際大会の開会式にその5つの鐘を集結させて点鐘し、最高の祝賀を行いました。5つの鐘の音はそれぞれ「ド・レ・ミ・ファ・ソ」の5音階で作られ、一斉に点鐘した時の何ともいえぬハーモニーが耳に残っています。
日本では東京RCの2003年11月26日の例会で若井恒雄会長(当時)が高らかに点鐘し、ロータリー100周年のスタートをお祝いしたと、東京RCの沿革にあります。
2004年5月の大阪(関西)国際大会の友愛の家に、世界を巡回中の鐘の一つが展示されていました。嬉しいことに会場内の2005年シカゴ国際大会の広報ブースで、シカゴでの100周年大会の参加登録をすると、その鐘を一回点鐘させてもらえるとのことで、私も急遽登録を済ませ、ピンクのリボンをもらって嬉々として点鐘しました。「ソ」の音でした。時々鳴っていましたので、点鐘権?につられて早期登録した方も多かったのではないでしょうか。
この鐘の切手は2か国で発行されました。
バングラデシュ人民共和国は2004年10月12日に行う予定の記念式典に合わせて切手が発行され、FDC(初日カバー)もかなりの量が事前に準備されました①。しかしダッカRCでの式典が延期され(鐘が届くのが遅れた?)記念カバーが改めて10月27日の消印で作成されました②。①も販売停止とはならず、①がFDC、②は記念カバーの扱いです。この切手には赤の印刷漏れエラーがごく僅か(恐らく1シート=100枚)存在し③の右が正常、左がエラーの切手です。
④はパラオ共和国のロータリー100周年記念切手(4種のコンビネーションシート)です。右上の切手に100周年の鐘が描かれています。ちなみに右下は、3年前2018年8月7日のこのコラムに記載した「ロータリー拡大の立役者J. W. DAVIDSON」氏の肖像です。発行日は2005年4月4日です。この日パラオRCに100周年の鐘が巡回してきたものと思われます。
⑤はモルディブ共和国が2005年9月20日に発行したロータリー100年の記念コンビネーションシートで、切手内ではなくシート地に「鐘」が描かれています。シカゴでの100周年国際大会が終わって3か月後の発行ですから「エージェント切手」の類(たぐい)かもしれません。
英国では鐘の切手は発行されませんでしたが、ロンドンRCにこの鐘が巡回訪問した2005年1月7日に、Loyal Mailが記念の消印(Bell Visitの文字があります)を作り、ロータリー100年記念のPスタンプに押印しました。記念のカバー(封筒)にこの鐘が描かれています⑥。
⑦は国際ロータリーが頒布した「100周年キット」の日本語版に入っていたリーフレットに、バングラデシュと日本の切手を貼り、私の職場があった船橋で郵便局に行き、100周年当日の日付印(欧文印)を押印したものです。ダッカまでは行けませんでした。
ロータリー100周年から12年後。ロータリー財団の100周年に際し、アトランタでの国際大会の開会式で点鐘された記念の鐘は、イタリア北部の小さな工房で造られました。鐘の音は、ロータリー100周年の鐘に続く「ラ」の音階で作られたとのことです。アトランタの開会式に出席された方はお聞きになられたことと思います。(この鐘の切手はどこからも発行されませんでした)