ちょうど2年ほど前のある日、国際ロータリー(RI)第2700地区(福岡県全域・長崎県および佐賀県の一部)のガバナーエレクト(当時)である灘谷和德さんからメールをいただきました。ご自身のガバナー年度のガバナー月信に毎号2分の1ページを使って『切手で見るロータリー史』というコラムを掲載する予定だが、そこに私(浜名)のホームページにある資料を使わせてほしいとのお申し出でした。こういう場合、私は出典と無断転載禁止の明記をお願いしていますとお伝えしご了解をいただきました。氏のガバナー月信には『切手で見るロータリー史』が連載され、年度の終わりにはそのまとめの冊子①②(抜粋:表紙と第3~4回)も作られました。このようなコラムの掲載の継続には大変なご努力があったのではないかと推察いたします。私は毎号を第2700地区のホームページからダウンロードさせていただき楽しく拝見していました。改めて冊子になった12か月分をまとめてみると素晴らしい資料になっていることがわかります。
また、灘谷さんは9月18日に発行された「日本のロータリー100周年記念切手」を使って2種類の記念品を作り、地区内のロータリアンに配られ、私にも送ってくださいました。ご本人のご了解をいただきましたのでこのHPでもご紹介したいと思います。③は4ページ建てのリーフレットの表紙です。記念ピンバッジのデザインを取りこみ、福岡中央局の機械特印が押されています。ただしここの切手と特印はコピーです。たくさん作って配られたものと思いますので実物で作るのは困難だったと思います。機械特印は位置決めの仮打ちをしてから押印するので時間が2倍かかるのです。私も日本橋郵便局ではこの作業に多くの時間を要しました。2ページ目には『ロータリーの友』誌9月号の関連記事(43ページ)、4ページ目には『スタンプマガジン』誌の関連記事がそれぞれ転載され、史料価値も十分です。
3ページ目④がハイライトで、ロータリーの創始者ポールP.ハリス、初代RI事務総長チェスレ・ペリー、日本のロータリー生みの親といわれる米山梅吉、最初の日本人ロータリアン福島喜三次の各氏の写真が配され、中央に記念切手の1枚が貼られ、東京ロータリークラブ創立100周年の記念日である2020年10月20日の福岡中央郵便局の風景印が捺されています。「博多郵便局」の風景印とどちらにするか悩まれたそうですが、名槍日本号を持つ黒田武士が描かれた福岡中央の方にした、とのことでした。⑤は別バージョンの記念品で1枚ものです。こちらは先の4人のうち日本人の二人の写真があります。記念切手が2枚貼られ、1枚には切手発行日の手押し特印が、そしてもう1枚には10月20日の福岡中央郵便局の風景印が捺されています。大変な手間がかかっていますのは私にもよくわかります。ぜひ、ご紹介したいと思い掲載させていただきました。
さてこの記念切手が発行されて2か月以上が経ちました。一般に記念切手の使用済みはあまり見向きされませんが、発行後2か月以内くらいの使用で消印がはっきり読めるものは、それなりの価値があります。私があちこちから入手した使用済みの切手(郵便として実際に使われたもの)の中にも、郵便局名と日付のはっきり読めるものがありますのでいくつかご紹介しておきましょう。⑥には北海道の幸福郵便局の消印があります。幸福は正確には帯広市幸福町で、1987年に国鉄広尾線が廃線となるまでは「幸福駅」があって、一大ブームがあったのをご記憶の方も多いでありましょう。無人駅であるにもかかわらず入場券を含む乗車券が駅構内の売店で販売され、二つ帯広寄りの「愛国駅」では「愛の国から幸福へ」という乗車券も大量に販売されました。廃止されてから駅舎が建て直された、という今も観光でにぎわう町の郵便局の消印です。⑦の「泉佐野」は関西空港内分局の消印です。きりがないので10枚だけにしておきましょう。