• MY HOBBIES / Kenichi Hamana

2012年の夏、北欧を旅する機会があった。
シリアラインの客船に乗りたくてまずヘルシンキに一泊。夕方発のシリアラインの最上階(コモドアクラス)の部屋には高級ワインのサービスもあった。朝着いたストックホルムでは旧市街(ガムラスタン)の小さなRIKA HOTELの406号室に2泊。市庁舎の塔を見学したら偶然にも中学の同級生に遭遇、というおまけもあった。ノルウエーのオスロへは国際列車を利用した。現地の話では古い車両ということだったが、重厚な趣のある列車①で、明るいスエーデンの草原から、やや暗いノルウエーの農村地帯への6時間、1等車の旅を楽しんだ。ノルウエーのオスロ中央駅②は毎年夏の間工事中(氷雪で夏しか工事ができない)のため使用が制限され10kmほど手前の駅で下車してバス連絡になっていた。オスロも2泊だけだったが、中学時代に読んだコンティキ号探検記(トール・ヘイエルダール著)のその船を見学。バス・船・市電を活用してあちこち巡った。

そしていよいよベルゲン急行。これまた中央駅前からバスで40分ほど離れた駅へ。並んでいたらうまい具合に2号車の先頭の位置になり、最前部の席に座ることができた。小雨模様の中バスは直接駅のホームに。列車③が入ってきた。ここも1等車(現在はコンフォートクラス)を予約していたので、軽いランチがつきコーヒー紅茶は飲み放題。夏だというのに雪が残る荒涼とした高原の旅を楽しんだ。ベルゲンへはそのまま行けるのだがソグネフィヨルドの船旅をしたいのとフロム鉄道に乗りたかったので、途中のミュールダールで下車。約20km先のフロムまで、最急勾配55‰(パーミル)を下った。その途中のショース滝(落差93m)では約5分の停車があり、下車して水量豊富な滝を見物できた。途中で上・下列車の交換駅があり、すれ違いざまに(相手は停車中)撮影④した。この鉄道は1940年開業、1944年に電化され、その当時の機関車⑤(スイス・ブラウンボベリー社製)がフロム駅構内の博物館に展示されている。現在は列車の前後にドイツ製の17型電気機関車が使われている。フロムでは由緒あるフレトハイムホテルのクラシカルルームを予約しておいた。部屋からフロム鉄道の駅⑥や港がよく見えた。

翌日船とバスでヴォスへ。その船に乗ったらそこはもうゾグネフィヨルド。中学の地理で習ったあの世界最大のフィヨルドなのだった。途中いくつかの港に寄りながらグドヴァンゲンまで約2時間。ここの深さはどのくらいなのだろうかと想像した。そしてこのフィヨルドの沿岸にも村があり、人々の暮らしがあることを、60歳を過ぎてから知った。
グドヴァンゲンでは真っ先に船を降り、ヴォス行きのバスを探した、うまい具合にここも最前部の席を確保。ところがこのバス、急勾配・急カーブ・狭路をものともせず、飛ばすこと所定1時間を50分たらずでヴォス駅に到着。予定では1時間近く待ってローカル列車に乗ることになっていたが、バスが飛ばしてくれたおかげでベルゲン急行とほぼ同時着。何と前日ミュールダールまで乗ったベルゲン急行に接続してくれたのだ。運転手いわく今日は運が良かった。おかげで1時間以上早くベルゲン⑦に着き、夕日に輝くカラフルなベルゲンの港町をゆっくり見ることができた。
この旅で感心したことがある。オスロのホテルを朝チェックアウトする際に、ベルゲンのホテルを指定すると、そこまで荷物を届けてくれるサービスがあった。おかげで楽にフロムとフィヨルドを楽しむことができた。それだけフィヨルド観光のお客が多いのだろう。乗車券も鉄道・船・バス・鉄道が1枚にセットされていた。


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