• MY HOBBIES / Kenichi Hamana

国際ロータリー(RI)の1940年年次大会はキューバの首都ハバナで同年6月9日から6日間にわたり開催されました。この年、戦時色が漂う中、日本からも1名が参加しています。残念ながらその直後8月に静岡RCが解散したのを皮切りに日本のロータリークラブ(RC)は次々とRIを離脱したのですが、この大会ではチェスレ・ペリー事務総長が年次報告の中で、その前年1939年7月に「日本は新潟にRCを作りロータリーの拡大に貢献した」と述べて賛辞を送っています。(出典・同大会議事録)
ハバナRCは1916年創立の古いクラブで、1955年(ロータリー50周年)にはキューバ国内に57クラブが存在しましたが、カストロの革命によって1959年に全クラブが解散となりました。
さて、郵趣の面でこの大会は、正刷の(加刷ではない)ロータリー大会の記念切手が初めて発行されたことで知られています。1931年のウイーン大会で発行された記念切手は当時の通常切手6種にロータリーのエンブレムと大会のロゴを加刷したものでした。今回は最初からデザインされた切手で、キューバの国旗と主産業の一つであるたばこの葉が描かれています。シート構成は5×5の25枚を4面、その中心余白部分にロータリーのエンブレムと大会の文字が描かれ、大きな構成になっています。
私のコレクションとしてはA4にぎりぎり収まる各9枚4面のクロスガッターブロックといわれる部分①を所有しています。これを二回り大きくした計100枚の完全シートは1枚存在が知られ、それは額に入れられているとのことです。一般には②の初日カバーに見られるように切手4枚の状態で収集されています。この切手は大会の広報を兼ねて、大会20日前の5月18日に発売されました。
大会が始まると記念の消印が使われました。③はハバナクラブの封筒が使われた米国の郵趣家宛ての実逓便で、前年(1939年)にハバナ市内のマリアンナRCが作成したシールなども貼られています。「大会5日目」の記載もあるように6月13日の消印です。ここに押された消印がロータリー大会の記念消印で⑤の左下に押された印も同様です、⑥⑧に見られる消印はよく似ていますが切手展の記念スタンプです。どこが違うかよーくご覧ください。

その切手展は、6月7日から14日まで地元郵趣団体がロータリー大会への協賛事業として主催したものです。そこでは記念の消印が2種類(⑦と⑥⑧)使われ、いろいろな記念品(⑥~⑧)が作られました。⑦は切手展会場で発売された郵政作成の記念シートで、色が朱色に近い感じです。少しですが透かしの向きが上下逆になったものがあります。
⑧は地元郵趣団体が作成したスーベニアカードでペニーブラック(世界最初の切手)が複製され、切手100年記念の文字もあります。これは入手が難しく、私が持っている中でこの初日印が押されたものは、前所有者であるフランスの故Dr.ルネ・ラガードが1980年当時のカストロ首相の主治医から入手したものと明言していたものです。⑨はカラートライアル・プルーフと呼ばれる試刷品で、青と黒の2色が知られていて、この4枚ブロックにはそれぞれ鑑定書が付いています。試刷品も含めてこの切手は当時の紙幣用紙に印刷されていますので、手触りが普通の切手と異なります。


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