2024年もあとひと月。師走と聞くとなんとなく気ぜわしい季節になりました。
この一年、ロータリーの切手は不作でありました。9月1日のコラム「ロータリーの新切手」でインナーホイールを含めて3種類をご紹介しましたが、その後最近になって、2月29日にガイアナで「デメララロータリークラブ(Demerara RC)30周年記念切手」が発行されていたことがわかりました。発行数など詳細は分からず、私もフランスの郵趣業者から1枚(シートの左上コーナー①)を入手できただけです。まだFDCも市場に出回っていないのですが、こちらは郵政への確認で発行日が判明しました。ガイアナのデメララRCがこの30年間に、何百ものコミュニティ改善プログラムを通じて、地域社会とガイアナをより良い地域にすることに尽力してきたことを紹介するために発行したとのことです。
図案は「ロータリーの7つの重点分野」(⑴平和構築と紛争予防、⑵疾病予防と治療、⑶水と衛生、⑷母子の健康、⑸基本的教育と識字率向上、⑹地域社会の経済発展、⑺環境の保全)のロゴを描いているのですが、何となく公式ロゴとは違う感じがします。ガイアナはもともと切手を輸出産業にしていますので、国際ロータリーの承認を得ずにこの切手を発行した可能性もあります。しかし「重点分野」を紹介する切手を発行したのは2020年9月の日本だけであることを考えれば、たとえディーラーズ切手であったとしても、ロータリー郵趣の観点からこの切手は評価できると思います。
続いて、9月のコラムでは「発行日不詳」としていたサンピエール・ミクロン発行「第7815地区大会」記念切手の発行日が判明しました。ごく少数ですが4種のカシエの初日カバーが市場に出てきたのです。そのうち1種②を入手しましたが、そこには2024年6月12日の日付が入った記念消印が押されておりました。私は先のコラムで、地区大会(6月14~16日)の2日目に郵政長官の挨拶があったので、その6月15日が発行日かもしれないと書きましたが、大会2日前の6月12日が発行日でした。最近は国際切手展の審査基準でFDCが評価されなくなり、何となくその存在感が薄れていましたが、FDCの価値がこんなところ(切手の発行初日を特定できる)にあることを改めて感じた次第です。