• MY HOBBIES / Kenichi Hamana

今回のロータリー50周年記念切手は「キューバ」を取り上げることにしました。
キューバには現在ロータリークラブ(RC)は存在しません。しかし、1959年のカストロの革命以前は活発に活動していました。1916年に首都ハバナにRCが発足、ロータリー50周年の1955年には国内に57のRCが存在しました。世界最初の正刷ロータリー切手を1940年の国際ロータリー(RI)年次大会の開催を記念して発行した国としても名を残しています。(2019年5月19日のコラム参照)

キューバはロータリー50周年の記念切手を2種類、1955年2月23日に発行しました。実際には2月16日に発売されたのですが、2月23日まで郵便には使用できないことになっていました。
基本デザインは、RI元理事のマニュエル・ガリガルシア氏の夫人、フィーナ・ガリガルシア氏が構想し、最終デザインはキューバの著名なアーティストVedasto Acosta氏が描いたと記録にあります。青色の4C切手は200万枚、赤色の12C切手は100万枚発行されました。①はその50面シート右上コーナーの田型で、コントロール番号が入っています。

②はフォトエッセイの最終版で、これを基に印刷版が作られました。③は最終版のプルーフで、国名と額面が抜けています。

キューバでは贈呈用シートも作られました。プレゼンテーションシートと呼ばれ、2種の切手が無目打ちで印刷され、裏面にはロータリーの歴史などが詳しく印刷されています。表面の切手の下部の文字が2種類あり、④は英語、⑤はスペイン語で記されています。⑤の署名者は資料解読中ですがまだわかりません。このほかにもいろいろな方の署名が残っていて、多くのメモと格闘しています。
このシートには⑥(赤印刷漏れ)のようなエラーも散見され、もちろん青印刷漏れもあります。

FDC(初日カバー)は20種以上が作成されました。このFDC作成のために発行日の1週間前に発売されたのかもしれません。⑦はLily社製作のFDCで比較的数が少なく入手が難しいものです。FDCには⑧のように④や⑤のシートから切手印面部分を切り取って使用したものもあります。本来切手としては使えなかったのですが、EDCには割と多く見られます。実逓使用例と思われるカバーもあり、郵便局員の目をすりぬけたものなのか、郵趣目的で作られたものなのか、どちらも考えられます。

キューバ革命といえば、1953年から1959年まで、私が小~中学生のころの出来事で、毎週土曜日夕方の日本向け国連放送のラジオで、よく情報が伝えられていました。中学時代には、それを聞いて私はそのニュースを学級新聞に載せていたのですが、なるべく目立たないようにと「指導?」があった記憶があります。私のロータリー切手の収集品の中には、そのカストロ首相の主治医のコレクションからROS(ROTARY ON STAMPS)の恩人ルネ・ラガード博士を経て伝わってきたものもあり不思議なものです。


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