• MY HOBBIES / Kenichi Hamana

先日(4月19日)チリでロータリーの記念切手が発行されました。久しぶりの本格的なロータリー切手です。まだ切手そのものは市場に出まわっていないのですが、初日カバー(FDC)は入手できましたのでご紹介したいと思います。
チリ最初のロータリークラブ(RC)はバルパライソRCですので、切手(2種・連刷)には、1種にチリのロータリー100周年、もう1種にバルパライソRC100周年記念の文字があります。

バルパライソ市はチリ中部のバルパライソ州にあり、首都サンティアゴの西方約120kmの太平洋に面した港湾都市で、地名は「天国の谷」を意味します。国会が所在し、チリの立法府としての役割を果たしています。人口25万人。迷路のように入り組んだ歴史のある美しい街並が2003年に、UNESCOの世界遺産に「バルパライソの海港都市とその歴史的な町並み」として登録され、観光客も多く訪れる地です。

2種連刷の切手の1枚には世界遺産になった歴史的町並みの建物が描かれ、もう1枚には港湾都市の様子やアセンソール(ミニ・ケーブルカー)の車両が見られます。記念の消印はA~Cの3種類あります。

Aの消印(サンチティアゴ郵便局)には切手にもなっているサンティアゴ旧市街の景観が描かれています。

Bの消印(バルパライソ郵便局)に描かれているのは「アセンソール」というミニ・ケーブルカーです。少し詳しく言うと、サントドミンゴの丘、コンセプシオンの丘などの斜面に開けたバルパライソは、坂道と石段の町です。センソールは世界各地によく見られる丘の上と下の町を結ぶ傾斜のついたエレベーターのようなものです。ポルトガルのコインブラやカナダのケベックシティでも乗ったことがあります。日本の箱根・宮ノ下の某旅館にも私設のものがありました。バルパライソ市内には16か所にあって、丘の上と下のあいだを、急斜面に沿って、小さな箱が1分ほどで往復しています。1892年にできたアルティジェリアのアセンソールは、50度を超える斜面に作られています。頂上の駅で支払う料金は1回100ペソ(約20円)です。

Cの消印はチリ中南部の商工業都市コンセプシオンの郵便局で使われたもので、描かれているのは大聖堂の搭と思われます。

インディアナ州バルパライソ市のロータリー クラブは、200 人以上のロータリアンを擁し、例会は毎週月曜日の正午からで、地域社会と国際ロータリーの世界的な目標の両方に奉仕し、支援しています。奉仕プロジェクトや奨学金制度は地域社会に大きく貢献していて、その概要はクラブのホームページで見ることができます。

チリでは1960年のロータリー南米地域会議記念切手①以降7件9種のロータリー切手が発行されていて、この記念切手で8件11種になります。その内、チリ国内のロータリーに関しては2001年12月21日に発行されたアントフォガスタRC75周年記念切手②があります。バルパライソRC75周年の時に記念切手が発行されず、その3年後のアントフォガスタRCの75周年時に発行されたのは、単にチリのロータリーがバルパライソRC75周年記念切手の発行要請をしなかったからなのでしょうか。アントフォガスタはチリ北部の港湾(銅の積出港)都市で、1884年のバルパライソ条約でボリビア領からチリ領になったいきさつがあります。

切手の額面が1430ペソ($)と表示されています。現在のレートで日本円に換算して240円ほどになります。国内用の普通郵便用の切手の額面でないのは南米ではよくあることで、「高い」などと目くじらを立てるほどのものではないでしょう。日本でも額面500円の記念切手が発行される時代ですから。久々のキチンとしたロータリー関連の切手に、ROS(ROTARY ON STAMPS)のメンバーは大いに喜び、今月28日からのメルボルン国際大会の友愛の家のブースで話題になることでしょう。


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