今年もあとわずかになりました。私のロータリー郵趣の今年の収穫は何か?を考えると、あの2枚の出席カードであろうと思います。
ロータリーの出席カード(メークアップカード)はロータリアンが自クラブの例会を欠席した際、規定に定められている期間内に他クラブの例会に出席して、自クラブの欠席を補てんするための証明となる大切な書類(通常は葉書)で、原則として訪問先のクラブ幹事から自身のクラブの幹事に郵送されます。私の手元にはかなりの数の出席カードが集まっていますが、なかなか手に入らないものがあります。
まず、日本のロータリークラブ(RC)が海外のRCに送った1940年以前のもの。過去のコラムで1927年の東京RCのものと1931年の京城RCのものを掲載しましたが、他にはなかなか見かけることがありませんでした。
ところが今年の11月13日、英国の郵趣業者が1931年に京都RCが発送した出席カードを10ポンドで売りに出したのです①②。オークションではなく即売でしたのですぐに購入することにしました。「京都RCの1931年の出席カード」と、これだけで十分な情報でしたが、よく確認するとあて先がカルガリーRCになっているではありませんか。「もしや・・・」と思って出席したロータリアン氏名を確認しました。やはりそうです。「James W. Davidson」とありました。かつてのコラムに「氏は2年半に及ぶロータリー拡大の旅からカルガリーへの帰国直前、京城RCの例会に出席したのです」と書き、京城RCの出席カードを紹介しましたが、実はその2週間後に京都RCの例会にも出席されていたのです。神戸で入国し、横浜からカナダに向かったのであれば東京RCなどの出席カードも存在するかも・・・といろいろ想像させられます。あて先の国名は誤記でカナダではなくUSAとなっています。裏面のロータリアン氏名の欄のみがご本人の自筆であると推測します。あとは同じ筆跡なのでクラブ幹事が書かれたものでしょう。「カルガリー、アルバータ州」とあるのでカナダに届いたのだと思います。どなたがコレクションしておられたのか、英国経由で偶然に私の手もとにやってきました。
さて、もうひとつ入手困難なのが、日本人が海外のRCに出席した際のカードです。探していたら日本国内で今年の10月にようやく見つかりました。ある切手と葉書のオークションに出品されていたのです。100円スタートで私以外に入札者はなく、とてもお買い得な結果になりました。函館東RCの第6代会長渡辺綱彦さん(病院・医学博士)が1965年4月26日にイタリアのフィレンツェRCの例会に出席された時のものです。1960年代になると日本のRC差出の出席カードはかなり見かけるのですが、海外からのものは見ることがありませんでした。出席されたロータリアンご本人が記念に持ち帰られたのか、受け取ったRCが確認後処分されたのか、出席カードがコレクションの対象になっているということが知られていないからなのか、いずれにしても入手は奇跡、といった感じです。