• MY HOBBIES / Kenichi Hamana

日本では国際ロータリー(RI)の年次大会が過去3回開催され、その都度記念切手が発行され、2005年のロータリー100周年記念切手も含めて、日本でのロータリー記念切手は4種類になります。

わが国最初のRI年次大会の開催は1961年5月28日~6月1日の第52回大会でした。この大会は、わが国が1956年12月18日に国際連合に加盟して以来最初の大きな国際イベントということで、記念切手の発行もスムーズに決まったといわれています。この切手はザンメル凹版2色刷りという当時の印刷技術としては画期的なものでした。発行時に使用される記念の消印(特印)も、和文だけでなく欧文のものも作られました。①はその両方が押された英国宛実逓初日カバー(FDC)で、裏に40円分の切手が貼ってあり計70円の適正料金になっています。切手ブームのころでもありFDCは40種類以上が作られましたが、特に珍しい手漉き和紙によるもの②を掲載しておきましょう。

1978年5月14日~18日の第69回大会では、ロータリーのエンブレムが大きく描かれ、下半分に富士山と鶴の浮世絵(葛飾北斎/部分)が採用されました。メリハリのある色彩が好評ですが、デザインとしては手抜きを感じます。この切手の見本は赤で「みほん」と加刷されているのですが、英国のマイク・ゴスニー元ROTARY ON STAMPS(ROS)会長が、バーミンガム大会(2009年)の友愛の家に展示した16フレームのロータリー郵趣コレクションの中に、黒で「みほん」と加刷されたもの③がありました。彼の没後、奥様からいくつかの日本関連アイテムとともに私の手元に送られてきました。書体が若干違うので本物とは確認できません。あの時彼に真相を聞いておくべきだったと後悔しています。FDCは30種余り作られ、特に少ない④とロータリーを揶揄したような⑤を紹介します。

第94回大会は大阪(関西)で2004年5月23日から26日まで開催されました。発行のいきさつについては長くなりますので別の機会に記したいと思いますが、残念ながら評判の良くない切手でした。⑥の発行案内カードのような明るい色彩であれば少しは救われたのですが、実際の切手は色調が暗すぎた気がします。⑦は大会ホスト委員会の封筒にこの切手を貼り大阪中央局と大阪西局の特印を押したものに、当時のマジイアベRI会長のサインをいただいたものです。実はこの切手には実現しなかったB案⑧が存在しました。私としてはこの方が切手として良いデザインだったと思います。2年後の2006年、コペンハーゲンでのROSの会合で、温厚で上品なフランス紳士のルネ・ラガード元ROS会長が、私が持参したB案のコピーを見るなり「Pity」(残念、チクショーという感じ)と叫ばれたのを思い出します。⑨に貼ってあるB案の切手はコピーです。

続く2005年はロータリーの100周年ということで、100か国ほどで記念切手の発行があり、日本でもポリオ撲滅(根絶)運動と絡めて発行されました。多くのロータリアンが積極的に使われたことと思います。この時は特印が手押し印と機械印の2種用意されました➉。10枚1シートの構成で最上段の余白と切手の下部の表示をよく見るとこの切手が「ポリオ撲滅運動推進」の切手として発行されたことがわかります。他国(米国)発祥の組織の100周年の記念切手を発行することへの抵抗感があったと聞いています。⑪は私がROSの友人用に作成したFDCで、3局で意味ある4印(右下は東京RCの例会場のある帝国ホテル内郵便局)を集めました。(ロータリーでは2019年7月に「撲滅」を「根絶」と和訳を変更しました)

さて、本年は日本のロータリー100年ということで、日本郵便の公式発表では9月18日に記念切手が発行されます。デザイン等は7月初めに公表されると思いますが、ロータリーサイドからは公募したピンバッジデザインのグランプリ作品を切手にも使うとの情報があります。いろいろ予想しながら静かに待ちましょう。


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